アジアオリンピック評議会は2007年にマカオで開催したアジアインドア競技大会で、初めてeスポーツを採用した。eスポーツとはエレクトロニク・スポーツの略称で、要するにコンピュータ・ゲームである(図17)。アジア競技大会でも2018年に初めて公開競技になり、2022年には正式競技になることが決定している。
eスポーツは、1970年代から1990年代にかけて、アタリや任天堂などのゲーム機メーカーが、主にアメリカで開催した様々な懸賞大会から発展してきた。その後、インターネットやパーソナルコンピュータが世界中に普及し、加えてコンピュータ・ゲーム専門の興業団体(1997年設立のCPLなど)も生まれて、高額の賞金をともなうイベントを次々に開催したことから、eスポーツの規模が急速に拡大した。
いまのところ、eスポーツの振興に熱心なのは、韓国や中国のアジア勢である。韓国では2000年に韓国プロゲーム協会が設立され、2005年から断続的に選手権を開催した。