『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』no.06
「クサアリの行列でホバリングしているアラカワアリヤドリバチが何個体も…。いったいこのハチたちは何をやっているのだろう?ということで、しばらく観察していても、特に何も起こらない。…」筆者が数年をかけ観察し「幸運にも」見出した答えの発見プロセスを紹介。
「4章・アリに寄生する - 最大規模の多様性をほこる寄生バチがたどり着いた究極の寄主」が入稿。
今回も筆者から大容量の入稿データを送っていただいた。
圧縮ファイルを解凍すると、3分近い動画ファイルを発見。
高解像の動画になっており、
・アラカワアリヤドリバチの数十個体のホバリング映像
・フシボソクサアリの数百個体がぎっしりの行列映像
そして「オニグルミの木の地上1.1mくらいの幹」で行われる両者のにらみ合い。
「時折、ハチの存在に気付いた働きアリが上体を起こして大あごを広げ警戒態勢をとっていたり、風が吹くとハチたちがサァーッといなくなって風がやむと戻って来たり、といったことが見られる程度である。」
こういった様子がはっきりと“観戦”できます。
実はこのアラカワアリヤドリバチの産卵行動は、「Cobelliという人がイタリア北部で観察したことを1906年に発表している」とされている。
それから100年以上、新たな報告がされていない。
この行動を観察するために「札幌で観察場所として選んだのが、オニグルミの大木に作られたフシボソクサアリの巣」。
観察の結果、どのような結果が得られたのかを、本書では紹介しています。
本書は2020年前半出版です。
(動画は本書のオンライン版で見られるようにしますが、ユーチューブの限定公開以外に方法がないかを検討中)