まだ少し眠い。寄生バチの仲間には昼間、活発に活動するものが多いが、私は夕方にならないと頭が冴えない。夕方から明け方までが私の時間だ。まずは花蜜や露をすすってお腹を満たそう。そして薄暗くなると動き始めるガの幼虫を探しに行こう。葉っぱのうえで動く幼虫を見つけたら追いかけて産卵管を突き刺して卵を産み込む。幼虫の強靭な皮膚を瞬時に貫くことが出来る鋭い産卵管は私の宝物だ
ここで語ってくれているのは、全国の里山に生息するごく普通の寄生バチの一種、ギンケハラボソコマユバチ(Meteorus pulchricornis)。彼(彼女?)の独り言から始まる本書の入稿がスタートしています。
出版は2020年前半の予定です。
全14章で紹介する本書の完成にいたるまでを、シリーズとして紹介していきます。