カゲロウ同様、トンボも原始的な昆虫グループのひとつです。
ところで、トンボのオスの生殖口はお腹の末端にありますが、ここから直接メスの生殖口へ精子を渡すわけではない。オスは腹部の基部近くに副性器をもち、一旦、生殖口から精子を副性器へ移す。その後、オスがメスを確保すると腹部末端にあるハサミ状の把握器でメスの頭部あるいは胸部をしっかりつかむ。メスは腹部を前方へ折り曲げて、生殖口のある腹部末端をオスの副性器にくっつけることによって交尾が成立する(図4)。この交尾の姿は独特であり、オスとメスとでハート形を形成するため、とても良い絵となる。ただ、オスがメスの首根っこをひっつかまえて交尾しているというなかなかハードな状況であるとも言えるかもしれない。交尾時間は種によって異なり、数秒のものから6時間弱かかるものもいる。交尾後も、オスはメスをつかみ続け、産卵するまで解放しないこともある。解放せずに一緒につながって飛んでいるところ(タンデム飛行)は、皆さんもよく目にする光景だろう。
−−このように、昆虫には生殖器や行動からオスメスを簡単に見分けられる種類もいれば、そうでないものもいます。
みなさんの中にも、昆虫を飼育していて、なかなか交尾や産卵や生育がうまくいかない場合も多いと思います。
- どのようにして受精されるのか?
- 求愛しているときの鳴き声の特徴とは?
- 精子の受け渡しはどのようにされるのか?
など、多くの疑問を持っているかもしれません。
昆虫ファンなら知っておきたいオスメスに関わる豊富な情報を、多数のビジュアルとともに紹介した『昆虫たちの不思議な性の世界』の詳しい内容は、下のリンクからご覧になれます。
「昆虫クイズ! オナガバチからの挑戦状」
ハチはいつ生まれ、どれくらい種類がいるのか? コマユバチが寄生相手に注入する毒の効果は? 寄生バチが特に発達させたのは、産卵管ともうひとつは?
など、ハチたちにまつわるクイズを掲載。
他にも寄生バチについての、意外と知られていない話題などを多くの写真と共に紹介しています。
楽しんでご覧になってください。