「図2をご覧いただきたい。
これは世界最大級のハチであるオオスズメバチとハラビロクロバチの一種(Platygaster ingeniosus)を並べた写真だ。」
と解説するのは、松尾和典氏。
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図2.オオスズメバチとハラビロクロバチの一種(Platygaster ingeniosus ;四角で囲ってある)。ハラビロクロバチからするとオオスズメバチは怪獣だ。
(第2 章 小さなハチの華麗な世界、松尾和典より)
「オオスズメバチとハラビロクロバチの一種(Platygaster ingeniosus。四角で囲ってある)。
ハラビロクロバチからするとオオスズメバチは怪獣だ。」
『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』より
私自身も、これまで昆虫や進化生物学の複数の本を担当してきました。
でも、ハチの面白さは格別です。
残忍さが印象に強い飼い殺し寄生、
また、おぞましさで目をそむけたくなる、
アワヨトウ幼虫から100近いハチの幼虫が
一斉に表面を食い破って出て来るようす、
こういった生態は、昆虫の不思議さ、魅力を
一段と味わわせてくれます。
一方で、寄生バチでは、容姿の美しさ・奇抜さがとくに心象に刻まれます。
なかでも、メタリック感のある光沢色は、
ハチだけでなく、甲虫でもとくに興味をそそられる特徴と思います。
下の写真はオナガコバチの一種(Torymus celticolus)のメス。
体長は3mmほど。
腹部から伸びているのは産卵管を収納する鞘。
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図1.オナガコバチの一種(Torymus celticolus )のメス。
体長は3mm ほど。腹部から伸びているのは産卵管を収納する鞘。翅は透明だが光の反射で虹色に見えている。(第2 章 小さなハチの華麗な世界、松尾和典より)
頭部から胸部、腹部にかけた
七色のみずみずしい光沢色が見られます。
さらに、下の図3は、SF映画に登場しそうな、
美しくも戦闘的なフォルムのハチ。
図3.コガネコバチの一種(Sphegigaster hamugurivora)のメス。
細腰亜目といわれる通り、「腹部が筒のように細くなっている。」
自由に腹部を動かせるよう、細い腰へと進化したいわれますが、
ここまで細いと、進化というより、
退化と言われてしまいかねないか?
ここまで綺麗な写真を紹介しながら、
紙の本ではモノクロで掲載になると思います。
巻末のパスワードをつかったオンライン版では、
綺麗なカラー写真、動画も視聴できますので、
本を買った際には、オンライン版を利用することを、
お勧めします。
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一色出版では、
動画を含めたオンライン版で、
内容すべてが読める本を刊行しています。
文章だけでは伝わらない臨場感を、
動画で視聴できます。
また、本では白黒で小さくなった写真も、
カラーぼ高解像写真で見られます。
お手元のスマホやPCで、
いつでも生物の不思議さを体験してみてください。