webコンテンツ(遺伝子から解き明かす鳥の不思議な世界)
第1章 鳥がみている色彩の世界
1.鳥には紫外線がみえる?
2.色覚の解剖・生理学
3.脊椎動物における色覚の生物学
4.オプシンのゲノミクス
5.コミュニケーションが牽引する進化
第2章 カラスの認知機能
1.個体間の優劣関係形成のための個体認識と記憶能力
2.群れ内の順位形成における推論の利用
3.道具を作り使うカレドニアガラス
4.道具のための思考か、思考のための道具か?
5.拡張した身体を操る能力
6.カラスの認知研究から“こころ”の進化学へ
第3章 鳥の色彩と遺伝的背景:羽色の機能と発色メカニズム
1.鳥の色彩の研究とは
2.生物の事象を考える為の異なる視点:背景にある「4つのなぜ」
3.鳥の色彩の機能とその背景を研究する
4.体色の背景にある遺伝子との関係
5.カロテノイド色素による羽色
6.メラニン色素による羽色
7.構造色による羽色
8.もっと複雑な発色機構
9.模様というパターン形成の発現機構
10.終わりに
第4章 カエデチョウ科鳥類の性淘汰と:雌雄コミュニケーションの進化
1.カエデチョウ科鳥類の基本的な特徴と多様性
2.キンカチョウの歌と性淘汰
3.メスの歌の進化
4.求愛ダンスデュエット
5.セイキチョウの求愛タップダンス
6.求愛ダンスの小道具は巣材
7.求愛ダンスと模様―縞々・水玉
第5章 EPC今昔物語
1.EPCの発見
2.言葉の定義
3.なぜEPCをするのか
4.メタ要因
5.まとめ
コラム① DNAから推定する親子・血縁
コラム② 優良遺伝子仮説と和合性遺伝子仮説にまつわる混沌
コラム③ 鳥のパーソナリティを測る
第6章 分子系統樹から解き明かす琉球列島に固有な鳥たちの起源
1.飛べないヤンバルクイナが島にいる理由
2.少し風変わり、でも別格ではなかったノグチゲラ
3.琉球列島からはみ出してしまったアカヒゲ
4.ルリカケスが語る琉球列島とヒマラヤ地域の意外な関係
5.オオトラツグミの迷彩模様に隠された過去
6.地味過ぎて識別しにくい固有種、アマミヤマシギ
7.リュウキュウコノハズク、なのに琉球列島では準固有種
8.見過ごされていた固有鳥類
9.琉球列島の地史と固有鳥類
コラム リュウキュウカラスバトは絶滅種か?
第7章 DNA・外部形態・音声の違いから明らかとなったメボソムシクイ上種の謎
1.メボソムシクイの研究をはじめたきっかけ
2.メボソムシクイとは?
3.日本周辺および極東地域における分類の混乱
4.日本国内やロシアでの野外調査を開始
5.3つの分岐の古い系統群を発見
6.外部形態と羽色の違い
7.3つの系統群における音声形質の違い
8.分類の再検討
9.野外での識別方法
10.今後の課題について
第8章 DNAからみえてきた伊豆・小笠原諸島の鳥の起源
1.島と系統地理学
2.日本産鳥類の系統地理学
3.日本列島と伊豆・小笠原諸島の地史
4.伊豆・小笠原諸島の繁殖鳥類の種数
5.伊豆・小笠原群島の固有の陸鳥
6.本土の鳥との遺伝距離
7.伊豆諸島の陸鳥の起源
8.小笠原諸島の鳥の起源
9.保全
10.今後の伊豆・小笠原諸島の鳥の起源研究
第9章 DNAからみた北海道のスズメの遺伝的特徴
1.遺伝子情報を用いた集団構造の解析
2.DNAを用いた集団構造分析のながれ
3.集団の遺伝構造に影響を及ぼす要因
4.スズメの特徴
5.北海道のスズメ
6.ミトコンドリアDNAからみた遺伝的特徴
7.マイクロサテライトDNAからみた遺伝的特徴
8.終わりに
第10章 古文書の「丹頂」からタンチョウを探る:「歴史鳥類学」から解明する江戸時代のツルの歴史
江戸時代の「鶴」の同定
1.江戸時代の「鶴」と現代のツル
2.江戸時代の博物誌にみる「鶴」の知識:タンチョウの事例
3.博物誌の知識は現代の鳥類学に通用するか
江戸時代の資料から復元するタンチョウの分布
4.産物帳からみるタンチョウの分布
5.産物帳以外の資料からみるタンチョウの分布
江戸時代におけるツルと人との関わり
6.ツルを獲る
7.ツルを食べる
8.終わりに
第11章 遺跡から出土するアホウドリの骨の動物考古学と考古鳥類学
1.なぜアホウドリ科の骨が礼文島の遺跡から大量にみつかるのか?
2.アホウドリ科の骨の種同定
3.アホウドリの生物学
4.アホウドリの考古鳥類学
5.終わりに
第12章 化石から類推する鳥類の繁殖方法の進化
1.中生代の鳥類卵化石
2.卵に関する形質の変化
3.メスの体に起こった変化
4.明らかになりつつある初期鳥類の繁殖方法
5.終わりに
第13章 空中と水中でのストローク:海鳥における飛行能力消失の進化
1.空中と水中
2.現生海鳥の系統での飛行能力消失
3.絶滅した系統における飛行能力の消失
4.飛行と体重
5.骨の強度と羽
6.ウミスズメ科の形態と運動能力
7.今後の研究
第14章 アホウドリ復活への歩みと保全遺伝学
アホウドリ復活への歩み
1.アホウドリが絶滅の危機に陥った要因
2.アホウドリの保護の歴史
3.小笠原に第3の営巣地を
4.移住計画のプロセスとハードル
5.アホウドリの移送と飼育
6.移住計画の成果と広がり
アホウドリ復活と保全遺伝学
7.保全単位の設定
8.現在のアホウドリについて
9.1000年前のアホウドリ
10.今後のアホウドリの保全
第15章 ライチョウをめぐる遺伝的問題
1.氷河期の遺存種:ライチョウ
2.ニホンライチョウの遺伝的集団構造の解明
3.日本と海外のライチョウ集団における遺伝的多様性
4.ニホンライチョウの保全のこれから
5.終わりに
第16章 絶滅危惧種保全と外来種管理への保全遺伝学的アプローチ
1.生物多様性保全と遺伝学
2.遺伝的解析と遺伝マーカー
3.マイクロサテライトマーカーのメリットとデメリット
4.マイクロサテライトマーカー開発における技術革新
5.絶滅危惧種の保護増殖事業と遺伝的多様性解析
6.マイクロサテライトマーカーを用いた絶滅危惧種ノグチゲラの保全遺伝学的検討
7.マイクロサテライトマーカーを用いた絶滅危惧種オオトラツグミの保全遺伝学的検討
8.マイクロサテライトマーカーを用いた外来種カササギの個体群の由来と趨勢
第17章 渡り鳥マガンの遺伝構造からみえるフライウェイの保全管理
1.渡り鳥の生息地の繋がり
2.保全か管理か
3.生息地へ
4.遺伝解析
5.遺伝構造から管理ユニットを推定する
6.遺伝子解析からみえる渡り鳥の生態
第18章 希少猛禽類2種の遺伝的多様性を比較する:クマタカとオオタカ
1.クマタカ
2.オオタカ
コラム 動物の保全保護に関わる法律
第19章 病原体とともに空を飛ぶ運搬者:遺伝子から鳥類の感染症をとらえてみえてきたもの
1.国内のライチョウからみつかった病原体とその感染サイクル
2.ペンギンと鳥マラリア
3.環境変化と感染症の関係から
4.終わりに