はじめに
序章(田中 実)
1.性の自由さ2.性決定と性分化
3.細胞の性と特徴
4.性の進化
5.性の頑強さ
第1章 雌雄はどのように作られるか(田中 実)
1.性染色体2.性を決める器官︱生殖腺
3.生殖腺の構造︱性ステロイドホルモン
4.生殖器官の構造
5.内分泌による性差の構築
6.さまざまな性決定遺伝子
7.性決定と進化
8.環境でも決まる性
9.性転換
10.哺乳類は性転換するか
第2章 魚の性︱自由に転換する性(大久保範聡・田中 実・宮副大地)
1.メダカを用いた性研究の事始め2.メダカの性分化︱性決定遺伝子DMYと生殖細胞
3.性を決める体細胞と生殖(幹)細胞のパワーバランス
4.生殖細胞の性決定︱卵になるか精子になるか
5.性決定遺伝子の多様性と性のパワーバランス
6.もうひとつの性のパワーバランス︱性ステロイドホルモン
7.脳だって性分化する!
8.脳の性分化︱哺乳類と鳥類の場合
9.魚類の脳の性分化
10.魚類の脳における性ステロイドホルモン受容体の発現の性差と性的可逆性
11.魚類の脳が性分化する仕組みにはまだまだ謎が多い
12.魚類の性
第3章 両生類の性︱せめぎ合う性決定様式(伊藤道彦・三浦郁夫)
1.カエルの性染色体と性決定2.アフリカツメガエルの性決定︱アンチ雄化の性(メス)決定?
3.カエル研究からわかってきたdmrt1を介した性システム進化
4.性のデフォルト︱メス?それともオス? 捉え方で答えは違う!
第4章 爬虫類の性︱環境で決まる性(松原和純)
1.爬虫類、鳥類における核型の特徴やその進化2.性決定様式の移り変わり
3.温度依存性決定
4.性染色体の起源と分化
5.爬虫類における性転換
6.爬虫類に見られる単為生殖
第5章 鳥の性︱遺伝子と性ホルモンがせめぎ合う性(戸張靖子)
1.ZZ/ZW型︱オスになるためには性決定遺伝子産物の量が大事2.歌うたいの脳︱脳の雌雄差とオス化
3.半分、赤い。︱ギナンドロモルフの登場
4.脳がオスになる季節
5.脳があいつで身体がおれで︱ニワトリキメラを使った性分化の実験
6.「超遺伝子」と3種類のオスたち
7.男女を生み分けする鳥たち
第6章 哺乳類の生殖腺の性︱精巣・卵巣から生まれる性(金井克晃・平松竜司)
1.未分化の性から雌雄へ︱生殖腺のつくりと性決定の流れ2.性を決定する遺伝子SRY
3.精巣をつくるものたち︱SOX9-FGF9の働き
4.卵巣をつくるものたち︱RSPO1/WNT4シグナルとFOXL2の働き
5.哺乳類における卵巣形成の多様性
6.性分化する精子・卵子の通る道
7.ヒト以外の哺乳動物での性分化異常
第7章 哺乳類の脳の性︱感情・行動をつかさどる性(菊水健史)
1.繁殖戦略における行動の性差2.情動や行動の性差をもたらす性シグナル、フェロモン
3.性行動
4.オス行動
5.メス行動
6.養育行動の性差
7.性ホルモンと脳の性差
8.脳の性的二型構造
9.社会とホルモン
第8章 ヒトの性︱典型的な男・女とは?(深見真紀)
1.典型的なヒトの男女︱どこが同じでどこが違うか?2.遺伝子からみる典型的な男と女
3.人間社会における性︱社会では、男と女のあり方はどう決められている?
4.非典型的な性とは?
5.環境と性︱環境は性に影響するか?
6.ヒトの性の新たな捉え方︱性の揺らぎと多様性
第9章 昆虫の性︱多様な性決定遺伝子とそれらをのっとる寄生者(勝間 進)
1.昆虫の性決定システムとは2.昆虫の性決定機構における多様性と類似性
3.カイコにおける性決定研究の歴史
4.ついに発見! カイコの性決定遺伝子
5.カイコが小分子RNAによってメスになる理由を探る
6.カイコのオス化遺伝子の研究から見えてきたもの
7.昆虫の性を操作する共生細菌ボルバキア
第10章 植物の性︱性決定の新たな世界(赤木剛士)
1.植物の性とその多様性2.植物の性決定の進化・性染色体
3.性を決定する遺伝子の発見︱「カキ」
4.性決定遺伝子の進化と論争︱ウリ科とアスパラガス
5.バラバラな性決定を生んだ「共通点」?︱キウイフルーツ
6.まだまだ未開の地︱イチゴ・ヒロハノマンテマ・スイバ
7.選ばれる性・揺らぐ性︱パパイヤ・ブドウ・栽培ガキ
8.植物の性染色体進化に一般性はあるのか?
第11章 多様な性決定システムにみられる共通性(菊池 潔・田中 実)
1.性染色体の異形化2.性染色体の「常識?」
3.組み換え抑制がおきる至近要因︱どのようなメカニズムが働いているのか?
4.組み換え抑制がおきる究極要因︱なぜそうなったほうが有利なのか?
5.塗り替えられる「常識」
6.若い染色体
7.さらに若い性染色体たち
8.若さを保つ秘訣
9.動きまわる性決定遺伝子
10.性はなぜ存在するのか?
11.性決定遺伝子・性染色体はなぜ変わらなければならないのか?
12.性決定遺伝子はなくても性はきめられる?︱環境依存型の性決定
あとがき
参考文献
筆者略歴
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。