編=井ノ上逸朗・今西規・河村正二・斎藤成也(編集委員長)・颯田葉子・田嶋敦
ヒトゲノムの全体像と詳細を一冊に収録
進化・発生・遺伝病・感染・エピゲノムなど、ヒトゲノム全体をカバーするとともに、その詳細を178項目に分け、105名の専門家がそれぞれ解説
【目次】
第1章 ヒトの進化
1.1 ヒト進化研究の歴史と概観
1.2 脊椎動物の誕生
1.3 四足類の出現から霊長類の誕生まで
1.4 ヒト上科の進化 1.5 ヒト属の進化
第2章 ホモ・サピエンスのゲノム進化
2.1 新人のアフリカ起源を示す遺伝子データ
2.2 出アフリカ以降のヒトの拡散
2.3 原人・旧人からの遺伝子移入
2.4 古代人ゲノムの研究
2.5 日本列島人のゲノム進化
第3章 ヒトゲノムの全体像
3.1 常染色体
3.2 性染色体
3.3 染色体のセントロメア構造
3.4 染色体のテロメア構造
3.5 がらくたDNA
3.6 リピート配列
3.7 ゲノム領域によるGC含量の変動
3.8 ゲノム領域による突然変異率の変動
3.9 ゲノム領域による組換え率の変動
第4章 ヒトゲノムの遺伝子概論
4.1 遺伝子とは
4.2 タンパク質遺伝子
4.3 ミトコンドリアDNAの遺伝子
第5章 RNA遺伝子
5.1 tRNA遺伝子
5.2 rRNA遺伝子
5.3 miRNA遺伝子
5.4 snRNA
第6章 遺伝子発現を調節する領域
6.1 プロモーター
6.2 エンハンサー
6.3 TAD, CTCF、コヒーシン
6.4 トランスポゾンによる遺伝子発現調節
6.5 RNA PolI関連遺伝子
6.6 転写因子
6.7 ホルモン応答転写因子
第7章 進化的に保存された非コード配列
7.1 脊椎動物共通な傍系・順系相同CNS
7.2 羊膜類および哺乳類で共通に存在するCNS
7.3 霊長類で特有なCNS
7.4 ヒト上科とヒト科で特有な CNS
第8章 リピート配列
8.1 トランスポゾン
8.2 Alu配列
8.3 L1配列
8.4 内在性レトロウイルス
8.5 核に移行したミトコンドリアDNA断片
第9章 重複遺伝子
9.1 重複遺伝子と遺伝子族
9.2 全ゲノム重複の痕跡
9.3 重複遺伝子の運命
9.4 遺伝子重複と遺伝子変換
第10章 偽遺伝子
10.1 直列重複後に偽遺伝子化したもの
10.2 プロセス型偽遺伝子
10.3 機能のある偽遺伝子
10.4 単一コピー遺伝子の偽遺伝子化:環境との関わり
10.5 アスコルビン酸合成に関与する酵素の偽遺伝子
第11章 エピゲノム
11.1 Roadmap Epigenome Project
11.2 DNAメチル化
11.3 ヒストン修飾
11.4 クロマチン接近可能性 (chromatin accessibility)
11.5 エピゲノム-X染色体不活性化とXIST
第12章 ヒトゲノムの変異
12.1 単一塩基変異(SNV)
12.2 組換えと連鎖不平衡
12.3 遺伝子変換
12.4 挿入と欠失
12.5 マイクロサテライト
12.6 逆位
12.7 コピー数変異(CNV)
12.8 染色体の転座・逆位・融合
12.9 染色体数変異
12.10 染色体破砕
第13章 ヒトに感染する微生物のゲノム
13.1 常在菌
13.2 ウイルス
13.3 感染細菌
13.4 ピロリ菌
13.5 マラリア原虫などの真核生物
第14章 細胞内で働くタンパク質の遺伝子
14.1 翻訳に関係する遺伝子
14.2 エネルギー代謝
14.3 核酸・アミノ酸合成系に関係する遺伝子
14.4 糖・脂質合成系に関係する遺伝子
14.5 核ゲノムに存在するミトコンドリアで働く遺伝子
14.6 細胞内輸送系の遺伝子
第15章 細胞の分裂と維持に関係する遺伝子
15.1 DNA複製開始に関係する遺伝子
15.2 DNA修復に関係する遺伝子
15.3 染色体分配に関係する遺伝子
15.4 細胞周期チェックポイントに関係する遺伝子
15.5 減数分裂の細胞周期制御に関係する遺伝子
15.6 相同染色体間組換えに関係する遺伝子
15.7 染色体分配(還元分裂)に関係する遺伝子
15.8 セントロメア系の遺伝子
15.9 テロメア系の遺伝子
15.10 細胞質シャペロンと調節因子
15.11 ミトコンドリアシャペロンと調節因子
15.12 小胞体シャペロンと調節因子
第16章 発生に関係する遺伝子
16.1 原腸形成、胚葉形成、脊索の発生に関係する遺伝子
16.2 からだの前後軸をきめるHox遺伝子群
16.3 器官形成にかかわる遺伝子
16.4 脳神経系形成にかかわる遺伝子
16.5 発生にかかわるその他の遺伝子
第17章 脳神経系の働きに関係する遺伝子
17.1 中枢神経系にかかわる遺伝子
17.2 神経伝達物質合成にかかわる遺伝子
17.3 神経伝達物質受容体の遺伝子
17.4 概日リズムにかかわる遺伝子
第18章 感覚にかかわる遺伝子
18.1 視覚にかかわるオプシン遺伝子群
18.2 視覚にかかわる調節系遺伝子
18.3 嗅覚にかかわる遺伝子
18.4 味覚にかかわる遺伝子
18.5 聴覚にかかわる遺伝子
18.6 温覚にかかわる遺伝子
18.7 痛覚にかかわる遺伝子
第19章 骨格筋肉系の遺伝子
19.1 筋肉タンパク質の遺伝子
19.2 筋肉系にかかわる遺伝子
19.3 骨格系にかかわる遺伝子
19.4 歯形成にかかわる遺伝子
19.5 身長に関連する遺伝子
19.6 顔面形態に関連する遺伝子
第20章 消化・吸収にかかわる遺伝子
20.1 栄養素の分解にかかわる遺伝子
20.2 消化管吸収・排泄にかかわる遺伝子
20.3 ヒトの脂質分解・吸収
20.4 腎排泄・再吸収にかかわる遺伝子
20.5 尿酸排泄・再吸収にかかわる遺伝子
第21章 肝臓にかかわる遺伝子
21.1 肝機能指標にかかわる遺伝子
21.2 アルコール代謝にかかわる遺伝子
21.3 肝炎ウイルスにかかわる遺伝子
第22章 循環にかかわる遺伝子
22.1 循環系と心臓にかかわる遺伝子
22.2 循環系と肺にかかわる遺伝子
22.3 循環系と腎疾患
22.4 大・中動脈にかかわる遺伝子
22.5 高血圧、動脈硬化や心筋梗塞にかかわる遺伝子
第23章 血液にかかわる遺伝子
23.1 血漿タンパクの遺伝子
23.2 血液凝固系の遺伝子
23.3 赤血球系の遺伝子
23.4 白血球系の遺伝子
23.5 ABO式血液型遺伝子:糖転移酵素
23.6 Rh式血液型遺伝子:膜タンパク質
第24章 内分泌系にかかわる遺伝子
24.1 ホルモン一般
24.2 バソプレシン・オキシトシンファミリー
24.3 メラニン凝集ホルモン
24.4 プロオピオメラノコルチン
24.5 成長ホルモン
24.6 インスリン
第25章 生殖と性差にかかわる遺伝子
25.1 性決定にかかわる遺伝子群
25.2 受精卵着床にかかわる遺伝子
25.3 卵巣・乳腺にかかわる遺伝子
25.4 精巣にかかわる遺伝子
25.5 子育てにかかわる遺伝子:オキシトシン
25.6 インプリンティングを受ける遺伝子
第26章 皮膚にかかわる遺伝子
26.1 耳垢型遺伝子 ABCC11
26.2 頭髪の太さを決める遺伝子EDAR
26.3 ケラチン
26.4 コラーゲン
26.5 皮膚に存在するリピート遺伝子(EDC)
第27章 免疫にかかわる遺伝子
27.1 自然免疫系にかかわる遺伝子
27.2 MHCクラスI遺伝子群
27.3 MHCクラスII遺伝子群
27.4 B細胞受容体の遺伝子
27.5 T細胞受容体の遺伝子
27.6 KIR遺伝子群
27.7 ディフェンシン
第28章 単一遺伝子による遺伝病
28.1 第1染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.2 第2染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.3 第3染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.4 第4染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.5 第5染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.6 第6染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.7 第7染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.8 第8染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.9 第9染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.10 第10染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.11 第11染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.12 第12染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.13 第13染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.14 第14染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.15 第15染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.16 第16染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.17 第17染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.18 第18染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.19 第19染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.20 第20染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.21 第21染色体上の単一遺伝子による遺伝病
28.22 第22染色体上の単一遺伝子による遺伝病
【編集委員紹介】
井ノ上逸朗(国立遺伝学研究所 人類遺伝研究部門 教授)
今西規(東海大学 医学部 教授)
河村正二(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
斎藤成也(国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部門 教授)(編集委員長)
颯田葉子(総合研究大学院大学 先導科学研究科 教授)
田嶋敦(金沢大学 大学院医薬保健研究域医学系 教授)