スペインで女性がスポーツをする機会は社会・文化的後押しを受けて徐々に広がっていった。1921年にパリで国際女性スポーツ連盟が生まれたが、スペインの女性たちもこの団体との繋がりを持ち続けていた。1928年には女性だけで構成される女子スポーツクラブ(図6)がバルセローナで創設され、その後、他の地域で誕生していく女性スポーツクラブのモデルとなっていった。中には、男性のクラブが女性の大会や競技を始めたところもあった。1930年代のスポーツは多くの女性にとって解放の手段であり独立や文化的闘争のシンボルであった。しかし、ここでもその範囲は限定的で、基本的に都市の現象にとどまった。カタルーニャやバスクの女性スポーツクラブは、その後、影響力を持ってくる独裁政権主導の組織とは距離を取っていたと言われる。